飲食店のリピーターを増やして集客力を上げる2つの法則

リアルビジネス

 

・お店のリピーターを増やしたい

・でもなにをやったら良いのかわからない

 

これらの悩みは飲食店経営をする上で永遠のテーマとも言えます。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決する法則をお伝えします。

 

また記事の中では、具体的な事例もご紹介します。

 

さて早速ですが、結論からお伝えします。

 

飲食店のリピーターを増やす2つの法則

 

1. 大原則はお客様の期待値を超えること

 

2. お客様に忘れられないようにアプローチをする

 

では、それぞれ掘り下げて解説していきますね!

 

飲食店のリピーターを増やす法則①-大原則はお客様の期待値を超えること

 

「そんなの当たり前だろ!」という声が聞こえて来そうですが、これは言い換えると

 

コンセプトとターゲットを明確にし、お客様に正確に伝わるようにする

 

ということなのです。

 

お店のリピーターを増やす法則として”コンセプト”が出てくる事を意外に感じましたか?

 

もちろん、リピートしてもらうためには顧客満足度の高さが重要なのは言うまでもありません。

飲食店の”満足度”を分解すると、大きく4つの要素に分かれます。

 

  1. 「料理」
  2. 「価格」
  3. 「接客」
  4. 「空間」

 

しかし、この記事では「料理」「価格」「接客」「空間」のクオリティそのものは、
一定のレベルをクリアしている前提でお話します。

 

飲食店としてやっている以上、料理が美味しい、空間の居心地が良いというのは
言ってしまえば当然のようにクリアしているべき要素ですし、
この記事に辿り着いたあなたは、とても熱心な努力家でしょうから、
そんなことはとっくに努力を惜しまず取り組んでいると思います。

 

では、何が重要なのかというと

来店するお客様の期待値と実体験を比較したときのギャップです。

 

インターネットやスマートフォンがこれだけ普及した現在では
来店前にお店の情報を事前にウェブでチェックする人も多いでしょう。

ウェブで調べなくても、口コミで聞いた情報などを元に来店しているかもしれないですし、
はたまた通りがかりのお客様でもファサードやA看板から得たイメージを頭にインプットして来店します。

 

つまり、来店するお客様は事前に得られるお店の情報から、
なんらかの「期待値」=「このお店で得られる体験のイメージ」を持って来店します。

 

顧客満足度というのはつまり、その期待値と実体験を比較してどうだったか、という相対的なものなのです。

 

具体例を使って説明します。

 

あるイタリアンレストランの事例

あなたは”イタリアン”と聞いてどんなイメージを持ちますか?

 

“イタリアン”といってもお店のジャンルは広いので、人によって描く印象は様々です。

 

 

 

・ピザやパスタを中心に提供する専門店

・ワインと食事を手軽にアラカルトで楽しめるカジュアルイタリアン

・コース料理を中心とする高級な正統派レストラン

 

例えば、カジュアルイタリアンのお店なのに、ウェブサイトなどを見て正統派レストランに近いイメージを思って来店したお客様は、どんな感想を持つでしょうか?

 

これは実際にあった例なのですが、この場合のお客様レビューは大変厳しいものでした。

 

「スタッフの接客レベルが低い」

 

「スタッフのワインの知識が乏しい」

 

「料理のクオリティも特に印象に残らない」

 

一方で、同じ店に同じ時期に来店した別のお客様のレビューでは、とても高い評価を得ました。

 

「必ずまた来店したい」

 

「料理のクオリティが高い」

 

「スタッフの接客はフレンドリーで居心地が良い」

 

お店が提供している料理やサービスに大きな変化はないのに、これだけレビュー内容にばらつきが出てしまうのです。

 

この事例から分かることは、お店のコンセプトやターゲットが正しく伝わらなかったお客様が来店してしまうと、お店とお客様、双方にとって残念な結果になってしまうのです。

 

さらにこのようなお客様がネット上にネガティブな口コミを書いてしまっては、お店としてはイメージダウンに繋がりかねません。最悪の場合、クレームになる可能性も秘めています。

 

逆に、お店のコンセプトを正確にイメージして来店したお客様に対して、期待値以上の料理・接客サービスを提供できれば、リピート客になる可能性が高まります。

 

ある居酒屋の事例

 

コンセプトを軸に、ファサード、看板、メニュー、オペレーションを見直した結果、客数・客単価共に向上した居酒屋の事例をご紹介します。

 

その居酒屋は、人通りがそこそこある通りの路面店で、旬食材を炭焼きで提供するというコンセプトのお店です。しかし、このコンセプトのアピール力がとても弱く下記のような状態でした。

 

・店前での”旬の炭焼き”というメッセージのアピールが弱い

・”旬の炭焼き”のメニューも少なくアピールが弱い

・店のスタッフも特におすすめしていない

 

このお店には客数(新規+リピーター)を増やしたいという目的があり、一緒に問題点を掘り下げていったところ、言葉では掲げているコンセプトを実際には実現できていないということが分かりました。

 

お店のウェブサイトでは”旬の炭焼き”がコンセプトのように書いていましたが、実際にはそこまでそのコンセプトを形にできていなかったのです。

 

ウェブサイトを見て”旬の炭焼き”を楽しみに来店されたお客様はどう感じるでしょうか?

 

お店の前に来て:「あれ、旬の炭焼きを特にアピールしていないなぁ。」

 

メニューを見て:「あれ、旬の炭焼きはどこにあるんだろう??」

 

スタッフにおすすめを聞いて:「おすすめされたのは、だし巻きたまごだった…。」

 

こんな状態では、リピートしてもらえないのは当たり前ですよね。

 

コンセプトとして掲げたことは、お客様が五感で触れるものすべてに”徹底して”表現すること。

 

この課題に気がついてから、このお店はファサードも看板も新たに作り変え、メニューも季節もののメニューが最も目立つようなデザインに変更し、スタッフもそのメニューをしっかりおすすめする、という取り組みをスタート。

 

その効果もあって、リピーターに限らず新規のお客様の数も増え、前年対比で120%に増加。さらには客単価も上昇するという素晴らしい成果に繋がりました。

 

飲食店のリピーターを増やす法則-お客様に忘れられないように定期的にアプローチをする

 

一度来店したお客様が再来店に至らずお店から離れていく一番の理由は

「なんとなく」

「気がついたら足が遠のいていた」

ということが多く、特に明確な理由がないことが多いと言われています。

日々たくさんの情報に触れ、新しいお店もどんどんオープンするなか、
何か特別な事がなければ自然に忘れてしまうのも当然です。

 

そこで大事なポイントは「忘れさせないこと」

とてもシンプルです。

 

特に大きな理由もなく「なんとなく行かなくなった…」をいかに減らすかが、重要なのです。

 

ところで、新規集客と既存顧客の維持にかかるコストの差はどのくらいだと思いますか?

 

一般的に新規客を集客するための販促費は既存顧客を維持するコストの5〜10倍かかると言われています。

 

また、同じ新規のお客様でも既存客の紹介と、まったくの新規客のどちらがリピート客になりやすいでしょうか?

 

もちろん、既存のお客様からの紹介ですよね。

 

お店の収益に繋がる販促費や労力の正しい使い方は、既存客の維持にかけることなのです。なぜ、既存客の維持が重要なのかを解説します。

 

なぜリピート客を育てることがそんなに重要なのか?

 

売上の8割は、2割の顧客による売上からなっている

 

この法則はご存知でしょうか?

 

パレートの法則は、イギリスの経済学者ヴィルフレド・パレートによって提唱された考え方で、「2:8の法則」とも呼ばれています。 全ての顧客を平等に扱うのではなく、2割の優良顧客を差別化することで8割の売上維持が期待でき、高い費用対効果をもたらすというものです。

 

これは商品にも同じように当てはめられます。例えば「全メニューの上位2割が8割の売上をあげる」とも言えます。

 

半分以上のお客様は1回しか来店しない

 

初めて来店したお客様のうち50%以上のお客様は二度と来店しないというデータがあります。さらに、なんとか2回まで来店してくれたお客様でも、3回目の来店に繋がるのは初回来店客の20%にも満たないのだそうです。

 

ただ逆にこんなデータもあります。

 

「同じ店に3回来店すると、そのお店が記憶に残り、安定的な利用が見込め、10回来店すると、ロイヤルカスタマー(上得意客・ひいき客)になる」

 

出典:3ヶ月で「儲かる飲食店」に変える本 / 河野祐治 著

 

つまり、どうやって3回まで来店してもらうかというのが最初に立ちはだかる高いハードルなのです。

 

忘れられない&3回来店を促すためのツール例

 

メルマガ

メルマガの開封率は低いと言われてはいるものの、飲食店にネット予約をする時には、ほとんどの場合メールアドレスが必要ですし、一度予約来店された実績のある顧客に対して直接情報を届けられるという点では、活用しない理由はないと思います。

スタンプカード

飲食店で導入するなら最も手軽なツールではないでしょうか。スタンプカードを使う上で注意したいのが、いくつのスタンプで特典をオファーするかという点です。3回目の来店に繋がるのは初回来店客の20%にも満たないというデータがあるのであれば、特典を得るのに10回の来店が必要なカードを作っても、ほとんどの人が貯められずに離脱してしまいます。

3回来店すれば常連客になる確率が高まるので、新規客に渡すスタンプカードは3回の来店でまず何かしらの特典が受けられるようにし、次のカードにランクアップするなどの仕組みにするのがオススメです。

お礼状

最も顧客に親密なメッセージを送ることのできるツールではないでしょうか。今どき、なかなか郵便で手紙をもらう機会も少ないないので印象に強く残るでしょう。お礼状には割引などは入れず、その代わりに手書きのメッセージを短くて良いので、感謝の気持ちを込めて書くと効果的です。

ただ飲食店の場合、お客様の住所を手に入れるのがハードルになる点は否めません。食後にアンケートをお願いして住所を書いてもらう、もしくはストレートにお客様カードを書いてもらうなどの工夫が必要です。

DM

新商品やイベントの案内などを定期的に郵送します。DMを送った反響を測定するためにも「DM見た」で何か特典をつける事をおすすめします。印刷物の郵送は、デザイン+印刷+切手代とデジタルツールを使った情報発信よりはコストがかかります。その分、しっかりと郵送したDMの投資効果を測定しましょう。デジタルツールでの販促にもこの考え方はもちろん重要です。

LINE@

顧客にとってはメルマガ登録よりハードルが低いのが特徴です。「忘れられないようにする」という目的にはぴったりです。ただ情報発信をする側としては、3回以上来店している常連客なのか、初回来店客なのか、個人を識別できない不特定多数への配信になってしまうので、DMやメルマガのように範囲を特定できるツールのようにお客様に合わせたメッセージ配信というのは難しいです。

フェイスブック / インスタグラム

これまでに挙げたツールのなかでは、最もお客様との結びつきが弱いツールです。お客様のアカウントにフォローしてもらうことで、お店の発信した情報がお客様のタイムラインに表示されるようになります。

ただ、お店が発信した情報がお客様に届く割合はフォロワーのうちの約15-20%と言われています。例えば1000フォロワーいれば、平均すると150〜200くらいのリーチになりますので、忘れられないようにするという目的に対しては、あまり効果的ではないかもしれません。

 

まとめ:飲食店のリピーターを増やす2つの法則

 

この記事で解説した『飲食店のリピーターを増やす2つの法則』に沿って実践すると、あなたのお店のリピーターを着実に育てていく事ができます。

 

さて、記事の内容をおさらいをしましょう。

 

1. 大原則はお客様の期待値を超える

 

そのために…

 

①コンセプトとターゲットを明確にし、お客様に正確に伝わるようにする

 

②コンセプトとして掲げたことは、お客様が五感で触れるものすべてに”徹底して”表現する

 

2. お客様に忘れられないように定期的にアプローチをする

 

なぜなら…

 

①売上の8割は、2割の顧客による売上からなっている

 

②半分以上のお客様は1回しか来店しない

 

リピーター作りには何かをすれば突然次の日からリピーターが増えるというような必殺技はありません。

私の経験上、成果が目に見えるまで最低3ヶ月はかかります。

 

それでもこの記事に書かれている法則を何度も振り返りながら、正しい努力をすれば成果は着実に形になります。

 

あなたの成功を応援しています!